NLP心理学、そしてそれを実践に落とし込んだコーチングやプレゼンテーションは、知識を得れば「できるようになる」ものでもないんですよね。サッカー、野球などのスポーツや自動車の運転同様に本やサイトの情報による学習だけでなく、”実践”が大事なんですよ。

そしてどうせできるようになるなら、素早くできるようになった方がいいよね。実は”高速学習”のヒントが人間の機能を学ぶと分かるんですよ。なので、ここで一つ、”人の学習の仕組み”について考えてみましょう。

人の学習の段階~できるようになるステップ~

今からお伝えするのは、人の学習の仕組みです。何かをできるようになるまでのステップなので、学習と言っても幅広いものなんだね。テスト勉強はもちろん、スポーツ、武道、仕事に至るまで、人が何かを習得するときに必ず通る階段があるんだよね。だからまずはここを押さえておくといいね。

人の学習の1段階は、「知らない」し「できない」。(無意識の無能力)

例えば、車の運転を習得する際、まだ車の運転を学んだことも、運転したこともなければ、「知らない」し「できない」よね。

コーチングであれば、コーチングのやり方もその意味もよくわからないし、当然できない、という状態だね。

2段階は、「知っている」が「できない」。(有意識の無能力)

車の運転を習得する際、まずは学科で運転教本を読むよね。フムフム、アクセスペダルを踏めば車は前に進むのか、、、と。しかしまだ、知識としては「知っている」けれども、運転自体はやったことが無いので「できない」よね。

コーチングであれば、「うん、まずは相手の目的(アウトカム)を確認する必要があるらしいぞ!」と、理解できた。けど、いざ相手と対話をスタートした時、「どうすればいいんだ???」となるような状態。

3段階目は、「知っていて」「意識した時はできる」。(有意識の有能力)

車の運転をし始めた時、意識的にミラーを確認したり、意識的に道路標識を注意したりして注意深く運転を進めるよね。運転の仕方を意識しながら、運転がうまくいくこともあるし、失敗することもある、つまり練習している段階だね。そんな状態が「意識した時はできる」有意識の有能力なんだね。

コーチングであれば「よし、相手の目的(アウトカム)を聞いてみよう!」と意識して、「では、1年後どのような状態になりたいですか?」と相手に質問をして、うまく答えを引き出せている、あるいはうまくいかないときもある、という状態。

4段階目が、熟達した段階「意識しなくてもできる」。(無意識の有能力)

運転免許を取って、日常で運転をするようになると、音楽を聴きながら、助手席の相方と会話をしながら、特に運転を意識しなくても勝手に体が動いて運転ができるようになるよね。これがまさに意識しなくても「できるようになる」と言うこと。

コーチングであれば、特に意識しなくても、気づいたら対話の中で、相手の望ましい状態(アウトカム)を引き出せている、そんな状態。

※コーチングはアウトカム(目的=望ましい状態)を相手から引き出すことを例に挙げましたが、当然コーチングで大切なことはそれだけではありません。

さて、あなたが心理学を学習するとき、学習の何段階目を目指す?

・・・いわずもがな、4段階目「無意識にできる」だよね?

※本当は、この上に5段階目の学習の境地がありますが、これは別の機会で説明するね。

高速学習のための「2つの要素」

 

さて、どうせこれから心理学、コーチングを学ぶなら、無意識にできるレベル、4段階を目指したいよね?

だとすると、大事なことは練習中である3段階から、熟達している4段階へはどにょうにして階段を登れるか?ということじゃない?

さぁ、あなたは4段階へ登るには何が必要だと思う?今まで何かを習得した時のことを思い出してみるといいよね。

 

実は、4段階目に達するには2つの要素があるんだね。

1.反復練習
2.感情のインパクト

1の反復練習は想像しやすいよね。何事も反復した行動に対して、脳神経が自動プログラムを作る。

身近な例をあげるね。
止まったエスカレーターを昇ったことないかな?

地震や停電、工事中などで運よく(?)、止まったエスカレーターを昇ることってあるじゃない。そんな時、踏み出した足に違和感を感じない?ちょっと強く押し返されているかのような変な感覚。

あれは、長年エスカレーターを使っていると、エスカレーターを認識した時点で、人は少し強めに足を踏み出すようにプログラムができているんだよね(第四段階)。なので、止まっているエスカレーター(=ただの階段)と頭ではわかっていても、何度も反復行為を繰り返したプログラムは作動してしまい、やっぱり強く足を踏み出してしまうため、違和感を感じるんだね。

運転やスポーツも同じだよね?当然、コーチングも同じく何度も繰り返せば熟達するんだよね。

さて、ここまでは当たり前の話、本当に面白いのは2つ目、感情のインパクトです。

実は、先ほどの反復練習をスキップして、いきなりプログラムを形成する方法があり、それが感情のインパクトを利用することなのです。